「聖也は気が付いているんでしょ、丸山先生が助からないって」


「なんでそんな事言うんだよ。先生は今頑張ってるんだぞ!」


聖也が声を荒げて、患者さんたちが何事かとこちらを振り向く。


あたしは深呼吸をして気持ちを静めた。


ここで興奮しちゃダメだ。


もっと冷静になって会話しなきゃ。


「聖也が言う通り、丸山先生は今日死ぬよ」


小さな声で、だけどしっかりとそう言った。


聖也は目を丸くしてあたしを見る。


しかし、さっきのように反論はしてこなかった。


それ所か口を開いたり閉じたりして別の事を言いたそうだ。


あたしはスッと息を吸い込んだ。