「2人の能力は人の死を読み取る事だった。それってつまり……」


雨は更に激しさを増していく。


路面はぬれてすべり安くなっている。


不意に、クラクションが聞こえて来た。


「そういう事だよ」


委員長は少し残念そうなほほ笑んだ。


能力のある人物は、決して無理をしない。


すべてを受けれて、柔軟に適応していく。


「委員長の能力も……?」


あたしは震える声できいた。


「うん。あの2人と同じだよ」


そう聞いた次の瞬間、カーブを曲がり損ねた大型トラックがあたしたちへ突っ込んでくるのが見えた。


トラックは横滑りしながらあたしたちを投げ飛ばし、クラスメートたちを下敷きにして横転した。


後ろから来た車はよけきれず、次々とトラックにぶつかって停車する。


薄れていく意識の中、あたしは被験者だった野乃花の顔を思い出していた。


今度生まれてきたら被験者と被験者の友人役じゃなく、ちゃんとした友達になろうね……。


そう思い、目を閉じたのだった。