その瞬間、聖也が立ち上がり声を張り上げた。


「このバスはジャックした!! 止まれ!!」


普段は大人しい聖也がナイフを片手に大きな声を出したことで、クラスメートたちから私語が消えた。


あたしはすぐに立ち上がり、ナイフを持っている事をクラスメートたちにアピールしながら運転手の横まで移動した。


あたしはナイフを運転手の首筋に押し当てる。


「いう事を聞いて。バスを停車させて」


運転手は本物の刃物に青ざめて、バスを路肩へと停車させたのだった。