学校に到着した途端、あたしは唖然としてクラス内を見回した。


みんなの番号札が二桁以下になっている。


番号が三ケタあるクラスメートは1人もいないのだ。


今日、このクラスの全員がほぼ同時に死ぬ。


その事をつきつけられた瞬間だった。


「大丈夫か?」


その事実を知っている聖也が心配そうに声をかけて来る。


「うん……」


そう返事をしながらも、あたしは強烈な喉の渇きを感じていた。


こんな光景、今まで一度も見たことがない。


「野乃花おはよう! 今日はバス旅行だねぇ」


結菜に声をかけられて、あたしは弾かれた方に振り向いた。


結菜の番号も二桁だ。


自分の心臓が大きく跳ねるのを感じた。


聖也も、こんな感じだったんだろうか。


自分の大切な人が死ぬとわかって、止める事もできなくて、息もできないような苦しさにさいなまれていたのだろうか。