別れ際の突然のキス。


俺の心音を確かめるように胸に耳を当てていた野乃花。


それらがすべて思い出された。


「まさか……」


俺は自分の胸に視線を落とした。


そして、すぐに野乃花に電話を入れた。


1コールも待たずに電話がつながる。


「もしもし!?」


『もしもし?』


くぐもった声。


感情までは読み取れない。


「野乃花、夢ってどういう事だ?」


俺はすぐにそう質問した。


野乃花は一瞬間を置き、そして話始めた。


『聖也の番号札がね……3ケタになってるの』


その声は震えていて、今にも泣きだしてしまいそうだ。


野乃花がこんな嘘をつくとも思えない。


「……嘘だろ」


俺は愕然としたままそう呟いた。


『嘘じゃない』


野乃花はキッパリと言い切った。


『ねぇ聖也、自分の死は予知夢できるの?』


その言葉に俺は返事ができなかった。