ただ体が熱くなって涙が込み上げてきて、恥ずかしくて、心臓が張り裂けそうになった。


「俺は、待ってるから」


聖也がいつもの口調に戻り、そう言った。


「キスしておいて待つとか変だけど。野乃花の気持ちが落ち着くまで、待つから」


「聖也は……大丈夫なの?」


あたしは言葉を濁して自殺してしまった彼女の事を聞いた。


聖也は一瞬目を見開いたけれど、すぐに笑顔になった。


「あぁ。野乃花に出会えたからもう大丈夫」