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コンビニで晩ご飯と明日の朝ご飯を買い、あたしたちは聖也の暮らすアパートへと来ていた。


2階建ての小さなアパートだけれど、中に入ると出窓があり可愛らしい空間になっていた。


「すごい、綺麗にしてるんだね」


6畳くらいのフローリングに、キッチン、トイレ、お風呂と言った簡単な作りの部屋だけれど、ロフトスペースがあるので広く感じられる。


「そうでもないよ。自分でやらなきゃいけないから、やってるだけ」


聖也は照れ隠しのようにそう言い、お弁当を冷蔵庫へしまい始めた。


あたしは自分の荷物を置くと、一際大きな本棚の前に立った。


本棚の中には漫画と小説が半々くらいで置かれている。


「物語が好きなの?」


そう聞きながら漫画を一冊手に取った。


それは予知夢ができる男の子が主人公になった漫画で、あたしは聖也を見た。


「別に、好きってわけじゃないよ。少しでも勉強になるかもしれないと思って読んでるだけ」


他の漫画や小説を確認してみると、それらもすべて予知夢に関するものばかりだった。