その仕草はあまりに自然で一瞬気が付かなかったくらいだ。


「本当に可愛い。ワンピースって脱がしやすいし、俺好き」


「へ?」


和の言葉に首を傾げた次の瞬間、目の前に黒いワゴンが現れたのだ。


それは前にあたしを襲った車にそっくりで、あたしは一瞬息を飲んだ。


なんで?


そう考える暇もなく、後部座席が空く。


中にいた金髪男があたしの腕を掴み、車内へ引っ張る。


あたしの体が車内へ押し込まれると同時に和が車に乗り込み、そしてドアを閉めたのだ。


突然の事でなにも考えられなかった。


どうして今ここにこの3人組がいるのか、どうして和は車に乗り込んだのか、わけがわからない。


「なに、どうなってるの?」


混乱する頭で和に聞く。


和はあたしが外へ出られないようにドアに鍵を閉めて、ほほ笑んだ。


「ごめんね、こいつら俺の連れなんだ」


「え……?」


和の言葉にあたしはますます混乱する。


だって、この3人組はいかにも遊んでいそうで、悪そうで。


だけど和は全然違う。


ちゃんと毎日学校へ行って、真面目に勉強をしている。


接点があるとは思えなかった。