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それから数十分後。


電話で言った通り結菜がキャリーバッグに服を詰め込んで家にやって来た。


「こんなに沢山持ってきたの!?」


バッグの中には靴や小物も入っている。


「だって、野乃花がどんな服を持っているのかわからないから」


結菜はそう言いながら、持ってきた服を広げ始めた。


どれも結菜の勝負服らしく、パステルカラーで女の子らしい色合いのものが多い。


「全部ワンピースなの?」


「男はワンピースに弱いんだよ」


結菜は自信満々にそう言った。


本当にそうなのか少し疑問が残る所だったけれど、ワンピースならコーディネートに困る事がない。


あたしはブルーのワンピースを手に取った。


白い小花柄で夏っぽい。


「それを着るなら上着はこれから」


結菜はあたしのクローゼットの中からレースのカーディガンを取り出して言った。


「ワンピースの下は?」


「カップ付のキャミソールでいいんじゃない? 柄付なら見えても可愛いし」


「足元は?」


「タイツやレギンスは、はかない方がいいよ。重たく見えるから。足元は低めのヒールにして、フットカバーをはけばいいよ」


結菜が準備して来てくれたフットカバーに白いヒールをはく。


「野乃花、カゴバッグを持ってる?」


「うん」


自前のカゴバッグを下げると完成だ。