「どうしたんだろうね」


隣の席の結菜がそう声をかけてくる。


『人が死ぬときって背筋が寒くならないか?』


聖也に聞かれた質問が蘇ってくる。


聖也はどうしてあんな質問をしたんだろう?


「背筋が……寒い……?」


まさか、聖也はこうなることがわかっていたんじゃないか?


頭の中でそう考えるよりも早く、あたしは立ちあがっていた。


「野乃花?」


結菜が驚いたように声をかける。


「ごめん、あたしも早退」


そう声をかけると、あたしは聖也の後を追いかけたのだった。