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和とのデートは緊張の連続だった。


手をつなぐのは序の口で、不意に顔をよせられて耳元でささやかれる事が何度もあった。


その度にあたしの心臓はドクンッと大きく跳ねあがり、止まってしまうんじゃないかと心配になるほどだった。


雑貨屋に行った後は2人で軽食を取り、近くのカラオケ店で1時間ほど歌って帰ることになった。


「次の日曜日、開いてる?」


そう聞いてくる和は、まだあたしの手を強く握りしめている。


緊張で手に汗をかいているのが恥ずかしい。


「あ、開いてるけど……」


あたしはチラチラと和の様子を伺いながらそう答えた。


和はニッコリとほほ笑んで「よかった。それなら今度はゆっくりデートできそうだな」と、言ったのだ。


その言葉にあたしの心臓はまた大きく跳ねた。


ゆっくりデートできる。


つまり、日曜日にデートしようと誘っているのだ。


頭の中で数の言葉をかみ砕かないと、すぐには理解できなかった。


信じられなくて、夢のようで。


「そ、そうだね」


あたしはそう言い、緊張しながらもほほ笑んだのだった。