それから二日後。


あたしたちのクラスはまた葬儀に参列していた。


しかも今度はクラスメートの葬儀と言う事で、移動のバスの中の空気は前回よりも重苦しかった。


誰もなにも言わない。


この場に礼がいないと言う事で、周囲はとても静かだった。


そんな沈黙を破ったのは、クラス内で一番大人しい女子生徒だった。


背が低く華奢で、少しどんくさい彼女は何かにつけて礼からちょっかいを出されていた。


「これでイジメられなくてすむのかな」


そんな呟きが、まるで爆弾のようにバスの中に響き渡った。


「イジメって……そんな事ないでしょ?」


彼女の唯一の友人と言えるクラスメートが驚いたようにそう聞いた。


バスの中にいる全員が聞き耳を立てているのがわかった。


「周りからはからかわれているだけに見えてたよね」


彼女はそう言い、軽く笑った。


呆れたような笑い方に友人はとまどっている。


「あたし、学校の外でもよく礼に呼び出されてたんだよ」


「え……?」


「だけど何をするわけでもないの。単に礼と一緒に歩くだけ」


「なにそれ?」


「わかりやすく言うとね、引き立て役だったの。礼はいつも華やかであたしはいつも地味。少し明るい私服を着て行った時は信じられないほど怒られた」