「だったら、助からなかったやつはどうなるんだよ」


「し、知らないよ、そんなの」


礼はまともに聖也と目を合わせる事もできない。


礼と一緒にいた男性はいつの間にか逃げ出して、あたし達3人になっていた。


「知らないことじゃねぇだろ!!」


聖也が怒鳴り声を上げる。


教室では考えられない態度だ。


あたしは聖也の声を聞きながら礼の番号札がどんどん減って行くのを見ていた。


あたしが助かったからだ。


あたしが助かったから、死ぬのが当初の礼に戻ったのだ。


だとすれば、誰かが身代わりになればその人は死なずに済むと言う事かもしれない。


「うるさいな!!」


ハッと我に返ると礼が道路へ向けて走り出していた。


夜の道路。


車は少ない。


それなのに……。


突然、トラックが猛スピードで走って来た。