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副担任の丸山先生の授業が始まる1分前。


みんな自分の席に座り、教科書の準備を始めている。


あたしも机の中に手を突っ込んで教科書を取り出した。


その時だった。


担任の男性教師が慌てた様子で教室に入って来た。


その慌てっぷりに生徒たちはみんな雑談を辞めた。


あぁ……副担任の先生だな。


あたしはぼんやりとそう思った。


「丸山先生が事故にあって緊急搬送された！　お前らは自習だ、いいな！？」


怒鳴るようにそう言い、すぐに教室を出る先生。


クラス内は一瞬騒然とし、そして爆弾が投下されたようにざわめいた。


事故か……。


思っていた通りだ。


丸山先生はどこかへ出かけていて、そこで事故にあったのだ。


あたしは自分の心が重たくなるのを感じていた。


ここまでわかっていたのになにもできない自分に少しだけ後ろめたさを感じる。


だけど、他人の死には二度と首を突っ込まないと決めたんだ。


生死を決めるのは人間じゃない。


いくら助けたくても、あたしは神様じゃないのだ。