そこには絶対に諦めないという、聖也の強い意思が感じられる。


「でも、なんの感情もなく死ぬ相手と会話をするなんて、無理だよ」


あたしは視線を地面へと移した。


灰色のアルファルトが続いている。


「確かに。完全のそういう気持ちを押し込めるのは無理だよな。そこが問題なんだ」


聖也はそう言い、顎に手を添えた。


「そもそも、本当にそれが原因で死期がずれたのかどうかもわからないし」


あたしはボソボソと呟くようにそう言った。


聖也のやっている事を否定したいんじゃない。


だけど、あまりにも曖昧でわからない事だらけの能力をそこまで過信するべきじゃないと思ったんだ。


今まで死期がずれた事だって、単なる偶然かもしれない。


あたしたちが関わった事なんて、本当は関係ないのかもしれない。


「それでも俺は、この能力がある限り行動し続けたいと思う」


そう言った聖也が眩しすぎてあたしは言葉を返す事ができなかったのだった。