「クラスが離れた」ことしか知らなかった私は夜にLINEで何組になった?と聞いてみた。

クラスはA組、B組、C組、D組の四クラスある。私はA組だった。

そして彼は__C組。見事な離れっぷりだ。

残念だなあ、って伝えたら
《まあ、残念だけど俺は別にいいよ。だって、離れても好きでいる自信あるから》
って言ってくれて、胸がキューンって音をたてた。


私たちは四月いっぱい、割とラブラブ状態で切り抜けた。安心。

そして私はこの一か月で目標のカップルを見つけた。

          オト     コウタ
それが同じクラスの、音ちゃんと功詩くん。

小学校の5年生から付き合っているらしい二人は中一になった今では二年目という安定のカップルだ。この二人は野浦藤小学校だったらしい。

音ちゃんに功詩くんのどこがいいのか聞いたら
「かっこよくないから、モテないところ」
っていう驚きの答えが返ってきた。音ちゃんいわく、イケメンでモテる人が彼氏だと自分も困るからモテないくらいがちょうどいい。らしい。


変わってるなあ、ってなんとなく思いながら私は考え事をしていた。

功詩くん、どっかで見たことがあるんだよなあ。普段の買い物先で、とかじゃなくて__。う~ん_。

「あー!!!!」

私はわかった!!って感じで思いっきり叫んでしまった。
「舞野香どした!?」
「吉枝が壊れた~!!」
「まのちゃん、ビックリしたよ~」

クラスのみんなが私の名前をいいながら笑ってる。

「あ、ごめんね。なんでもないよ!!」

私は謝りながら、心の中で満面の笑みをこぼした。

_みんな私の名前覚えてくれてるんだ。

                     ヨシエダ マノカ
【舞野香】も【吉枝】も私のこと。私の名前は吉枝 舞野香。

中学校に入ったら男子はみんな女子のこと苗字で呼ぶと思ってたけど、実際私のことを苗字で呼んだ男子は5人ほどと少なかった。