学校の玄関。
容赦なく降る雨をじっと見つめ、
まだかまだかと貧乏ゆすりまでし始めた私。
このまま走って駅まで行っちゃう?
それとも、雨が止むまでずっと待つ?
うー、なんて唸りながら、私は雨を睨みつけた。
待っても待っても止まない雨。
私は意を決して、自分の鞄を頭に乗せた。
と、その時...
*
『ちょっと待って!』
夏希「へい!」
今頃考えてみれば、
へい!なんて返事、ちっとも可愛くなかったね。
いつか君にそれを聞いた時、
うん、たしかに。
なんて永遠に笑い続けてたっけ?
ってのはいいとして、
私は目を丸くしたまま後ろを振り返った。
『傘、無いんでしょ?』
夏希「ま、まあ」
見上げた顔。
そこには、白い肌に綺麗で整った顔。
目はくりくりしてて、昔飼っていた犬のようだ。
ん、先輩じゃん。
しかも、すごくイケメン。
同じクラスの女子が騒いでた、あの先輩だ。
夏希「藤井涼先輩ですよね?」
涼「知っててくれたんだ。嬉しいなっ」
人懐っこい笑みを浮かべた彼の頬、
そこから感じる優しさに、私は少し安心する。
普段先輩と話す事なんてない。
しかも、異性の相手だよ?
これで緊張しない人なんていないよね?
夏希「はい、一年の間じゃ人気ですよ?」
涼「なんか、恥ずかしいね。
そうだ、君は何ていうの?名前」
夏希「杉原夏希です!」
その後先輩は私の名前を呟くと、
何故だか私に、男らしい右手を差し出した。
*
story characters②
*藤井涼
高校3年生。人気者で、女子からはモテる。
何回告白されても彼女は作らないという変わった性格で、
夏希はこの先輩に_____
容赦なく降る雨をじっと見つめ、
まだかまだかと貧乏ゆすりまでし始めた私。
このまま走って駅まで行っちゃう?
それとも、雨が止むまでずっと待つ?
うー、なんて唸りながら、私は雨を睨みつけた。
待っても待っても止まない雨。
私は意を決して、自分の鞄を頭に乗せた。
と、その時...
*
『ちょっと待って!』
夏希「へい!」
今頃考えてみれば、
へい!なんて返事、ちっとも可愛くなかったね。
いつか君にそれを聞いた時、
うん、たしかに。
なんて永遠に笑い続けてたっけ?
ってのはいいとして、
私は目を丸くしたまま後ろを振り返った。
『傘、無いんでしょ?』
夏希「ま、まあ」
見上げた顔。
そこには、白い肌に綺麗で整った顔。
目はくりくりしてて、昔飼っていた犬のようだ。
ん、先輩じゃん。
しかも、すごくイケメン。
同じクラスの女子が騒いでた、あの先輩だ。
夏希「藤井涼先輩ですよね?」
涼「知っててくれたんだ。嬉しいなっ」
人懐っこい笑みを浮かべた彼の頬、
そこから感じる優しさに、私は少し安心する。
普段先輩と話す事なんてない。
しかも、異性の相手だよ?
これで緊張しない人なんていないよね?
夏希「はい、一年の間じゃ人気ですよ?」
涼「なんか、恥ずかしいね。
そうだ、君は何ていうの?名前」
夏希「杉原夏希です!」
その後先輩は私の名前を呟くと、
何故だか私に、男らしい右手を差し出した。
*
story characters②
*藤井涼
高校3年生。人気者で、女子からはモテる。
何回告白されても彼女は作らないという変わった性格で、
夏希はこの先輩に_____