「姉ちゃん!」

朝早くから
弟の憲二に
起こされた。

「どうしたの?」

「親父が……
死んだって!!」

私は意味がわからず
「え?」
と聞き返しただけ。

「あいつが近くに来てたらしいんだ。そしたら近くの海で崖から滑り落ちて死んだらしい。」

「………」
私は呆然とした。

親父とは、
私と憲二の義理の父親。
散々な目にあわされ、
病気を理由に実家に帰っていた。

そのはずのアイツが
なぜここに……?


人生を巻き込む騒ぎの
事件…………。
その時は
何も気付かなかった。