「…涼に、は関係ない、でしょ。」


「太陽先輩も心配してたぞ。」

「知らない。その名前出さないで。」

「その言い方酷くないか。」


「酷いのはどっちよ。私をいじめの犯人にして、勝手に無視し始めて。その上あたしの彼氏奪って。太陽も太陽よ。ゆりかのこと好きであたしに近づいたんでしょ。だからあのときゆりかを抱きしめてたんでしょ。みんな私を見てくれてるんじゃない。私を利用してるの。そんなことされるためにわざわざ学校に行かなくてもいいでしょ。」


はぁ、はぁ、はぁ。

自分でこんなこと言うのってほんとに辛いな。


「もう、私の気持ちわかったでしょ。帰って。」


涼の顔を見るのが怖くて背を向けた。


「嫌だ。」


「はぁ、なに言ってるの。」

涼を、見ようと振り向いた瞬間


ふわっ、


涼に抱きしめられた。

「あおい、今までそんな辛い思いしてたのにこんな状態になるまで放っておいてごめんな。幼馴染失格だよな。ほんとごめん。」


「…」


「俺、 あおいのこと大切に思ってる。お前の家族だってそうだ。おばちゃんも、おじちゃんも、もえのもかいとも。かいとなんかまだ1歳になったばっかだけど、絶対お前の気持ちわかってる。
おばさんなんか、最近顔が疲れてる。今日の朝も、目が真っ赤だった。あおいのこと思って泣いたんだと思うよ。」