「ね、道は分かってるし、すぐに反対側の大通り出れるから行こ?」
「…本当だろうな」
「うん!」
「…走り抜けるぞ」
瞬と手を握って、暗い細い道を突き進んでいく。路地裏って言うのかな。
昼間にもよく通るこの道は私にとっては行きなれた道で、ただ暗いだけで怖い物なんか何もないって思ってた。
こういう道が、昼間と夜では顔を変えることも知らずに…。
「おい、いつまで行くんだよ」
「もうちょっと…」
だいぶ走って、そんなことを言い始めた頃だった。
不意に足止めた瞬に引っ張られて足を止める。
「しゅ…」
口を塞がれて思わず抵抗するけど、瞬の緊張した顔を見て視線の先を追う。
そこにはガラの悪そうな男の人が4人とそんな4人に囲まれてる男の子が1人。