「…………」

「ん?秋奈、今何言おうとした?」

 きよにぃを無視してベッドに寝転がる。

 なんで、なんでみんな…。

 みんな、嘘つきだ。大嫌い…。

「眠いのか?…抱っこしてやろうか?」

「………」

「秋奈?………寝ちまったか」

 目を閉じたまま無反応でいると、寝たと勘違いしたらしいきよにぃがベッドに背を預けて携帯を出す。

「…はぁ、もうちょいこっちにいるつもりだったのに。教授の奴…」

 卒業論文のことなのかな。不意に振り返ったきよにぃ。

 起きてることは気づかれなかったみたい…。

「…なんで、自分の子が信じれないかな」

 なんのこと…?きよにぃがどんな顔してるか分からなくて言葉の意味が分からない。

 きよにぃが控えめに頭を撫でてくれて、手が離れる。

 そして、きよにぃが部屋から出て行った気配がして、目を開ける。

 ドアにそっと近づいて音をたてないように少しだけ開けた。