「もともと、姉ちゃんいろいろ抱え込みやすいし、俺の態度でかなり怖がってたし、ストレスはかなりあったはずなんです。それが爆発したのかもしれない。…俺もせいでもあるんです」

「…春馬」

「だから、今は姉ちゃんが少しでも笑ってくれるようにしたいなって。今まで、散々傷つけたから、今度はちゃんと力になるんです」

 春馬は表情を切り替えてお菓子選んでくださいよと笑う。

 秋奈に余計な不安を与えないように、ただ安心させるために。

 春馬が…秋奈の家族がそうすると決めたなら、そうすべきなのかもしれない。

 適当にお菓子と飲み物を買って病室に戻ると、秋奈はおかえりと口を動かす。

 春馬が手渡したチョコを嬉しそうに受け取る秋奈は早速それを開けようとして、うまく開けられずなんか格闘してる。

「秋、貸せって」

「………」

 ぷくっと膨らんだ頬に、自分でやれると言わんばかりの目が加わって、思わず吹き出す。

 それでも。俺が開けた途端にくれと手を伸ばす秋は声が出ないだけでなんら前と変わりなくて、すぐに喋れるようになるだろうって安易に考えていた…。