「は?」

「あ?」

 声が重なる。

 振り返った先にいたのは、閉じられたシャッターを開けて入って来た瞬桜の姿で…。

 この状況を呆然と見つめていた。

「…なんだよ、これ」

 瞬桜は理解できないと言うようにこの状況を見つめてる。

 逃げてと言いたいのに、私が下手なことを言えばこの銀髪が瞬桜を傷つける。

 もう、大事な人が傷ついていくのは嫌…。

 だから、黙ったまま瞬桜に視線だけを送る。

 逃げて、お願いだからそのまま背を向けて逃げて…。

 キョウヤが秋奈を抱えてまま、瞬桜を睨んだ。

「おい、夏樹はどこだ」

「は?…ッ!?」

 キョウヤを…いや、気絶した秋奈を視界にとらえた途端、瞬桜の目の色が変わる。

「…秋?」

「聞いてんのか」

「…秋を離せ」

「あ?」

「秋を離せって言ってんだろうが!!」