「だが、夏樹が俺らから隠れるためにわざとこいつを総長にしていたとしたら?」
「あぁ、それはあり得るな。だとすれば、この女夏樹のか?」
「秋奈はっ」
「キョウヤ、その子連れってたら?夏樹の目の前で犯せば、大分反省するんじゃない?」
銀髪に口を塞がれた直後、銀髪は信じられないことを言う。
キョウヤはその案をまんざらでもないように否定もせず、気絶した秋奈を見下ろす。
ダメ…。秋奈がこいつらに連れて行かれたら、取り返しがつかないことになる。
口を塞ぐ手を何とかどかそうともがくけど、力で抑えつけられて全然敵わない。
「ッ夏樹の女はあたしよ!連れてくなら、あたしにしなよ!!」
突然声を上げた沙緒にキョウヤの視線が向く。
「キョウヤ、その子は連れてけよ。こんだけ大事にされてんだ。夏樹も例外じゃない」
銀髪は秋奈を離すことを是としなかった。
もうどうやっても秋奈をこいつらから離すことはできないの…?
どうすればいい。どうすれば秋奈だけでも解放できる?どうすれば…。