銀髪が考えるような顔を浮かべる。
「ふ~ん。知らないのか…。って、信じられると思う?」
「なら、聞いてみればいい!あなたたちがなんなのか、夏樹をどうして探していたのか、全部秋奈に聞いてみればいい!!」
「しらばっくれたら?」
「本当に知らないの!あの子は、何も…」
「っきゃぁあああああ!!!」
突然響いた女の子の悲鳴。
それは間違いなく秋奈の声で、背筋が凍りつくのを感じた。
「秋奈…」
「あれ、遅かったみたいだね。…行って見ようか」
まるで何でもないように銀髪は楽しそうにそんなことを言って、私を拘束したまま階段に近づいていく。
急階段を降りながら目に飛び込んだのは血まみれで気絶した秋奈の姿だった。
いつも笑ってる顔は左頬が腫れあがって、頭から伝ってるらしい血がその顔を汚してる。
この前新しくできた夏用のパーカーが赤色に染まって、右手の人差し指が変な方向を向いているのが遠目で分かる。
それが秋奈だって信じたくないのに、それが秋奈であることに間違いはなくて、勝手に目頭が熱くなっていく。