何が言いたいのかさっぱりわからない。
素直に聞くと、やれやれというように城崎さんは肩をすくめた。
「宮田さん、あんたはこっち。来ちゃダメ」
「は…はぁ」
「暴走族って名乗るのは勝手だ。でもな、それもやめとけ。あんたらはただ、志季ってチームで、商店街のマスコットキャラクター。裏に足突っ込むな」
「…」
要は、暴走族って名乗るなってこと?
暴走族じゃないから、暴走族の紫炎に関わってないってことにするってこと?
首をかしげると、頭を撫でられる。
見上げればもちろんトーマスがいる。でも、みんなもやって来て、笑ってた。
「城崎、名声は俺らいらねぇから、持ってけ」
「…可愛がられてるねぇ。志季の総長さんは。…まぁ、あんたは知らねぇ方がいい。裏のことは裏で片づけるからよ」
頭をポンポンってされて、城崎さんは仲間の方へ向かっていく。
そして慌ただしくやって来た救急車。
いつの間にかうっすらと意識が戻っていた恭也を乗せて、慌ただしく去って行ってしまった。
それを見送る夏はどこか安心したような顔で、ほっとしてるみたいだ。