「じゃじゃ馬って、なんですかそれ…」

「ん?ちげぇの?志季の総長、宮田秋奈さんってあんただろ?」

「な…なんで名前」

「よう、城崎。悪かったな」

 急に会話に割り込んできたのはトーマスで、今さっきまで笑ってたバイクの人はトーマスに頭を下げる。

 知り合い…?

「秋奈、こいつは城崎(きざき)。俺の後釜だ」

「どうも」

 私に対しては軽い感じのあいさつをしてくれる城崎さん。

 トーマスの後釜ってことは、暴走族の総長さん…?だからさっき総長って…。

「んで、宮田さん。ここの手柄、うちがもらうからな」

「え?」

「ん?名声欲しかったのか?紫炎潰したっていう」

「い…いえ、夏を取り戻しに来ただけなので…」

「なら話は早い。宮田さん、いいか?紫炎を潰したのは、俺たちだ。あんたたちじゃない。紫炎を潰した時、たまたまあんたのとこの奴がまぎれてたから、そいつはあんたのとこに返した。ってことでいいよな」

「えっと…どういうことですか?」

 何を言われてるのかさっぱりわからない。

 紫炎が潰れたって、ここはもう暴走族じゃなくなるってこと?

 …なんで?