「っ…僕も混ぜてよ」

「いつまで寝転がってるかと思えば、いいとこ取り?」

「いいじゃないですか~。先輩が先行かせたからですし」

 小柄な幹部まで身を起してしまう。

 それどころか、修羅が遠くなったせいで“切り伏せた”人たちは身を起こしていく。

 分かってた。修羅に頼った私の最大の弱点なんか、ずっと前から知ってる。

 だから捕まることだけはどうしても阻止しなきゃいけなかったのに…。

「泣かないの?泣いて詫びれば、僕は許しちゃうかもなぁ」

「リツキさんに怒られますよ。先輩」

「それは遠慮したいな。…まぁ、たまにはいいかな」

 その直後服の中に手が滑り込んでくる。

 目をきつく閉じ、下を向く。

「その反応は初めてって感じかな」

「え?マジですか?あはは、おねーさんバカだねぇ」

 貶してくる笑い声。突き刺さる視線。体をもてあそぶ手。

 それを全部無視して目を閉じ続ける。