吹っ飛んで行った男は後ろからせまっていた男たちを薙ぎ倒して止まる。

 それで一瞬動きが鈍った男たちを一瞬でねじ伏せていく。

 周囲に視線を走らせ、1番動きが鈍い奴が多い方へ駆けだす。

 ルールなんかいらない。

 遠慮も、恐怖も。

 この手を鈍らせるものはすべて邪魔だ。

 世界を、茜色に染め上げる。

「修羅、7割」

 口角が上がる。

 心の奥から出てきた人格が歓喜に震えて血を求めていく。

 その感情に身を任せ、次々に男たちを切り伏せていく。

『いいぞ、もっとだ。もっとこっちに来い』

 既に耳元で聞こえるその声に応えるように思考を堕とす。

 ここから先の意識はもう保てない。

 全てを、修羅に明け渡す。