家について、春ちゃんに嘘をついて木刀を貰う。

 ごめんね、春ちゃん…。

 変なことも頼んでごめん。でも、私は止まれないんだ。

 すぐに家を出て、自転車に乗る。

 そしてすぐに繁華街に向かって走り出した。

 そして1時間半くらいかけてやっとたどり着いたここ。

 目の前に目的地。

 あぁ、こわいなぁ。1人で来たのは間違いだったかなぁ。

 …でも、もう引き返せない。行くしかないんだ。

 背中の袋から木刀を1本を手にかけて、息を整える。

 胸の奥で目覚める何か。

 徐々に迫ってくる、その時間すら惜しい。

「修羅、4割」

 一気に思考を堕とす。

 歓喜に震える修羅の鼓動が聞こえてくる。

「修羅、お願い。全てをはねのける力を…」

 木刀から手を離し、足を進める。

 少し開いたそこから紫炎のたまり場へ足を踏み入れる。