「ここが、どうもなまぬるくて、いつまでも居座っちまいそうな場所だからですよ」

「…そっか。…直斗さん、あなたたちの世界のこと、教えてほしいことがあるの」

「…嫌だと言えば?」

「1つだけでいい。…あなたたちの世界で、ケンカが強いことはすべてを決める?」

 嫌とか言われる前に聞いちゃったもん勝ちだ。

 直斗さんはため息をついて、私を見る。

「…そうだと言えばそうだ。でも、それだけでトップが決まるわけじゃねぇ。でも、トップを潰せばその族は消えるだろうな」

「…ありがと、教えてくれて」

 それだけで十分だ。

 背を向けて、たまり場の外に向かう。

 そろそろ戻らないとお父さんが捜索かけそうだしね。

「…秋奈さん、最後の忠告だ。紫炎に近づくな」

「…うん」

 直斗さんに手を振って、急いでお店まで戻る。

 お店に戻るとお父さんに怒られて、問答無用で病院まで連行されてしまった…。