繁華街って、また面倒な場所に…。

 警察の目もあるし、他のチームの目もある。

 そんな中を紫炎の奴が1人で出歩くとか。どんだけ神経やられてんだよ。

「くそめんどくせぇ」

 ポケットに手を突っ込んで、囲まれてるバカがいる先を目指す。

 路地裏とか、どこに迷い込んでんだか。

 とりあえず、適当に歩いてみっか。

 たまに変な絡みをやってるとこは徹底的に避ける。

 紫炎の奴ならまぁ、勘で分かる。

 つうか全然いねぇんだけど。まさか連れ攫われた…?

「…あ」

 道端に倒れてる小柄な奴。

 …こいつかぁ。

「おい、大丈夫か?」

 少し揺さぶったら意外と簡単に目を覚ます。

 というか、こいつ中学生がいいとこだよな。人に言えたことじゃねぇけど、こんなチビのうちから紫炎にいるって、まともじゃねぇだろ。