「ついでに紅蘭ってとこだよ。結構頭いいところだから頑張ろうね。夏樹くん…じゃなくて、夏って呼ぶね」

「夏樹、心配すんな。叩き込んでやる」

 女の子と男…いや、秋奈と瞬桜は勇気づけるように笑ってくれて、できるかもしれないなんて都合のいいことを考えてしまう。

 だけど、頑張ろうって、確かに思えた。

「…ありがとう。…よろしくな、秋奈、瞬桜」

「うん」

「おう」

 秋奈に促されて3人で手を重ねる。

 秋奈が頑張るぞ~と言った直後に瞬桜が俺は決まってるけどなって言ってた。

 思わず勉強したことないけどって言ってしまって、秋奈と瞬桜に信じられないような目で見られた。

 それから文字通り猛勉強して、何とかぎりぎりで合格できた。

 その時は秋奈も瞬桜も自分のことみたいに喜んでくれて、2人と一緒に行ける高校が楽しみで仕方なかったんだ。