「…っは、何それ。言っただろ。あのケンカは俺がもらったって」

「で、でも…」

「そういうのいいから。ま、サツから逃げれたのは2人のおかげだから、これで貸し借りなしってことで」

 …言えねぇ。

 なんか、この子の目強い。目合わせてたら俺の方が飲まれそう。

 だから視線を逸らして、そっけなく言った。

 早く、離れたい。なんかこの子に見られるのはきつい。

 なんでか知らねぇけど、胸の奥が痛い。

 もう、関わりたいって思わねぇだろ。

 俺なんかと一緒にいて、まともなことなんかねぇんだから。

「んじゃ、もう二度と会うこともないだろうけど、気を付けて帰れよ」

「ッ待って!」

 背中を向けた瞬間に手を掴まれる。

 マジで?早く離れてぇんだけどなぁ。

 振り返ると、女の子は恐々しながらもやっぱり強い目を向けてきた。