だいぶ走って、女の子がやっと足を止めたのは公園だった。
警察なんか追いかけても来てねぇのに、結構必死だったな。
息を整えて顔を上げた女の子と視線が交わる。
女の子と手は繋がれたまんま。女の子が掴んでる手は真っ赤で、そんな手をこの子が触ってるのが嫌だった。
「…いつまで繋いでんの」
「ッご、ごめんなさい!」
怖がらせたか…?簡単に離された手。
離させたのは自分のくせに意味わかんねぇ。
寂しさを紛らわせるつもりで手を払って、腰に手を当てた。
この子には言っとかなきゃいけねぇかな。
あんな危ねぇとこに戻って来るとかバカなこと今後考えねぇように、ちょっと脅しとくか。
「で、なんで戻って来てるわけ?逃げろって言ったのに」
「あのままほっとけないよ!…あ、じゃなくて、助けてくれてありがとう」
いきなり頭を下げて来た女の子に思わず怯む。
なんで、俺なんかに頭下げてんだよ。
お礼を言われるためじゃない。この子がもうあんなことしないように言うんだよ。