「ッカハ…」

「うぅ…」

 どれだけ殴り合ったんだろう。

 だけど、俺以外の奴はみんなそこら辺に転がっていた。

 勝った。なのに、なんだよこのもやもや。なんで消えねぇんだよ。

 すでに戦意がない奴らに向かって拳を落とす。

 そのたびになんかが舞うけど気にならない。

 ただ胸の奥にあるもやもやを消したくて、殴り続けた。

 なんか足音がする…。

 そっちに視線を向けると、多分警察と、さっきの女の子と男がいた。

 なんで、戻って来るかなぁ…。よくわかんねぇ女。

「…ッキミ!傷害罪の現行犯で…」

 我に返った警察が手錠を出して近づいてくる。

 まぁ、そうなるよなぁ。でも、なんかどっかで安心してた。

 もう、こんな生活しなくてもよくなら、捕まってもいいかもしんねぇし。