廊下に引っ張りだされた瞬間、目に飛び込んできたのは倒れたまま動かないばあちゃんと、腹を抱えてうずくまってるじいちゃんだった。

「…ばあちゃん…?じいちゃん…?」

 自然に足が止まる。

 なんで動かないの?

 なんで血が出てるの?

 なんで…なんで、なんで、なんで、なんで、なんで…。

「夏樹!」

「ッばあちゃんとじいちゃんがっ!!」

「歩けっつってんだよ!!」

「いやだ!!」

 このままじゃ、2人とも死んじゃう…。

 早く救急車呼ばなきゃ、早く…早く。

 そう思っていたのに、突然腹に衝撃を食らって、勝手に意識が遠のいていく。

 じいちゃんが俺に手を伸ばしているのを見たのを最後、意識が飛んだ。