「こんなとこで何してんの?」

 後ろからかけられた声に思わず振り返る。知らない男の人が3人…。

 しまった。逃げ切れるかな…。

 すぐに背を向けて走り出す。

 あの人たちと関わるな。本能が勝手に判断して、体が先に動き出す。

「逃げんなよ」

「ッ!?」

 前から2人。嘘、いつの間に…。

 3人がすぐに追いついてきて囲まれる。逃げれない…。

 そうだ、携帯っ

「おっと、ダメダメ」

「ッ………」

 後ろにいた男に携帯を取られて、返してと叫んだはずなのに声は出てこない。

 高い位置に携帯を上げられて取り返せない。蹴るかと構えたところで目の前に携帯を差し出される。

「はい」

「…」

 な、何…。恐る恐る受け取ると、電源が入ってなかった。

 電源を付けようとすると、携帯ごと手を握られる。