「とにかく、一旦保留だ。秋奈も、ちゃんと考えて見なさい」

「あなた!」

「お前も秋奈を縛り過ぎだ!少しは黙って見守ってやれ!」

 お父さんはお母さんに一括すると、ご飯食べるぞと話を切り上げる。

 お母さんは不満そうだったけど、渋々ごはんの準備に向かう。

 パンフレットを持って、カバンに入れる。

 どうするべきなんだろう。

 話を聞いて、心のどこかで惹かれたのは事実。

 でも、同時に恐怖もあった。その恐怖は、このまま夏に会えないまま行くことになるかもしれないということ…。

 どちらの選択をするにせよ、夏を探そう。

 心残りを減らして、そしたら決意できるかもしれない。

 夏を探すんだ。

 探して、話して…。そこからのことはまた考える。

 心の中で決意して、顔を上げた。