六花が理紗の席を借りて、こっちを見てる。
そんな六花に握った拳を見せてみる。
「なに?」
「…」
拳を開いて、何もないのを見せてからもう一度握って、1、2、3と口パクで言って、開く。
手のひらに乗ってるのはさっきまでなかった折り紙のひまわり。
「…」
ノーコメント…。酷い。これじゃあつまらないかなぁ。
手をひっこめて首をかしげる。やっぱり飴がみんな好き?
「…秋奈、なんでひまわり?」
「……」
9月だけど、ひまわり変だったかな…。特に意味はなかったけど。
ホワイトボードになんとなくって書いて見せると六花はそっかと笑った。でも、作った笑顔だ。
「ちょっと、勝手に座んないでくれる?」
いつの間に来たんだろ。仁王立ちした理紗に睨まれる。
六花が途端に無表情になって席を立つ。理紗はわざとらしく席に着いた。