何とか気持ちを持ち直して、その場から離れる。

 理紗は必死だっただけ。恋は盲目って言うでしょ。悪い意味でも、いい意味でも、関係ない。

 でも…。瞬と理紗が付き合うことになったら…、私は素直に応援できるのかな?

「秋!」

「ッ…」

 顔を上げれば袴のまま飛び出してきたらしい瞬と視線が交わる。

 ねぇ、瞬はどうして私と一緒にいてくれるの?

「勝手にどっか行くなっていつも言ってるだろ」

「…」

「秋?」

 もう、いいよ。

「は?もういいって何が」

 これ以上、瞬の荷物になりたくない…。

 ねぇ、瞬…。私はもう、いいんだよ…。