表の方にある窓を見る。

 その窓から入って来た男。その男が六花を捕まえて…。

 はっきりとは思い出せてない。

 だけど、ここで誰かとケンカしたんだ。

 多分、私はあの木刀を負った影の人と。それで、負けた。

 ここに木刀があるってことは、ここでケンカしたけど、木刀を取られてしまい、追いつめられてこの階段から落ちた…。

 そう考えるのどうも妥当なような気がする。

 瞬が怪我してる理由は分からないけど、多分戻ってきたところで誰かとケンカしたんだと思う…。

 それにしても、ケンカしたくらいで記憶が飛んで、ついでに声まで失って、私結構弱かったんだ。

 少しだけ苦笑いした。

「秋、なんか思い出したか?」

 少しだけ、何となくと瞬に向かって言うと、声は出てないけど瞬は納得して、よかったなって頷いた。

 でも、完璧に思い出したわけじゃない。だから、まだダメなんだ。