「ただいま~」

「あら、遅かったのね。…え?」

 台所から出てきたお母さんが私たちの姿を見て固まる。

 私を真ん中に左に瞬、右に男の子。おかしい?

「あ、こんばんは」

「瞬桜くん、送って来てくれた…の?」

「あ、あぁはい。まぁ…」

 お母さん瞬と話してるのに視線は男の子。

 というより男の子の手?あ、そう言えば血が付いたまんまだった。

「お母さん、この子ね、カツアゲから助けてくれて…」

「え?そうなの?」

「うん」

「…秋奈がお世話になりました」

「え?あ…いえ、こちらこそ…?」

 男の子はやっと我に返ってお母さんに頭を下げる。

 顔を上げるとはっとしたように私の手首を離す。でも、血の跡で手形がはっきり残って、ホラーと思いながら手形を眺める。

「えっと…。とりあえず、ご飯食べていく?瞬桜くんも」

「え?あ…は、はい」

 成り行き?で瞬も家に上がった。

 男の子も戸惑いながら靴を脱いで家に上がる。