「一華が選んだ人なのよね・・・。お母さん、一華の事ちゃんと信じる。信じることから、始めるわ」
「お母さん・・・」
「向こうの仕事、切り上げるわ。こっちに戻って来れるように移動願を出す。受け入れられなかったら、仕事やめたっていいわ」
「そうだな。母さんだけでも、すぐにでも戻れるようにしよう」
その言葉に私は驚いた。
そんなことまで考えてくれるなんて・・・。
どうして今まで、ちゃんと言えなかったんだろう。
寂しいって。
でも、言えたのは今だったからだ。
私に居場所があるって知った、今だからこそ。
「約束ね」
「ああ。約束だ」
「約束」
三人で結んだ小指。
温かくて幸せに満ちた。
こんな日が来るなんて思わなかった。
諦めてた。
当たり前になってた日々も。
ちょっとした勇気で変えられる。