「ずっと、寂しかった。お父さんと、お母さんともっと一緒にいたい。行事も、イベントも一緒に過ごしたかったよ」
「一華・・・っ!」
遠回りをした。
きっと、とてもとても遠回り。
素直になれなかった私と。
気づけなかった両親。
私たちは、ようやく本当の家族になれるのかな。
お父さんとお母さんに抱きしめられ、私はそう思った。
温かい。
この温もりをくれたのは、洋介さんなんだね。
「彼にも、改めてお礼を言わなくちゃね」
「うん」
「引き止めておくべきだったな・・・」
「家族で考える時間をくれたんだよ」
「いい人なのね」
うん。
私にはもったいないくらい。
かっこよくて、優しくて、少しだけ口の悪い。
最高の恋人。