「お母さんたちが、間違ってたのね・・・」



沈黙の中、離し始めたのはお母さん。
瞳に涙を浮かべながら、私を真っ直ぐと見た。



「私たち、一華の優しさに甘えきってたのね」

「ああ・・・。親としての責務を果たしている気になっていた。俺たちは、なにを見ていたんだろうな・・・。すまなかった、一華」

「お父さん、お母さん・・・」




二人は私に頭を下げた。
瞳からポロポロと溢れる大粒の涙。



「ごめんなさい、一華。寂しいって言わないからって、本当に寂しくないわけなかったのよね・・・。そんなこともわからなくなってた・・・」

「今更、今更だと思うかもしれないが、一から親として一華に向き合っていきたい」

「ええ。こんなに気付くのが遅いダメな親だけど、もう一度一華と家族をつくりたい」

「・・・うん。うん。・・・私も、素直に言えなくて、ごめんなさい・・・」