「高校生だから大丈夫なんじゃないよ。もう、諦めたんだよ。寂しいって言ったって、私を見てって言ったって、無理なんだって、小さい頃からずっと思ってたから。そう、悟ったんだ」
「・・・っ」
「学校の行事だって、年に一度のイベントだって、いつだって私は独りだった。皆は親が来てくれたり、親がいろいろ用意してくれてたけど。・・・私にはなにもなかったんだよ」
我儘なんていっちゃだめだと思ってた。
ううん。
言ったって無駄だって思ってたんだ。
「今年の体育祭、洋介さんが来てくれたの。おばあちゃんも身体がしんどいだろうからって小学校の頃から来てもらってなかったから久しぶりに誰かに見てもらったの」
両親は黙ったまま、私の話を聞いている。
私は涙声で震えながらも、一生懸命に伝えた。
「すごく嬉しかった。今までで一番、楽しかった行事だった。誰かに見てもらって、応援してもらうのがあんなにも嬉しいって知らなかった・・・」
「・・・っ」
「二人にとって、私ってなんなの?ほっといても平気な存在だった?・・・私はずっと、寂しかったよ」
もっと早く、そう言いたかった。
でも、言えなかった。
こうして言えるようになったのは。
「こんな風に、言おうと思えたのは、洋介さんがいたからだよ。洋介さんが、私の事甘え支えてくれるから。私の事、恋人として大人として私の事を愛してくれるから」
いろんな愛をもらったんだって思える。
今私が満たされてるのは、洋介さんのおかげ。
子どもな私を丸ごと包み込んでくれる洋介さんの。