仕事後、新しく変えたスマホ。
そのまま一華の家の近くまで行き、そこで電話をかけた。



――・・・はい

「一華?・・・俺、洋介だけど。家の近くにいるんだ。出てこれないかな」

――・・・はい



電話口の一華が、いつもと違うことくらいすぐに分かった。
昨日一緒にいたという男。
それが誰なのか、わからないけれど。


気持ちは、変わってしまっただろうか。



でも、俺にそれを引き止める権利はきっと、もうないんだ。




プツッと切れた電話。
しばらくすると一華の家から人影が出てくる。




いつも、俺の車を見ると走って駆け寄ってきてくれていたけど、今日は違った。
躊躇いがちに歩いてくる姿に俺は目を伏せた。



覚悟、決めないとな。