ほとんどの生徒が不思議に思っているであろう仁菜と円香の友情。

実際、仁菜の隣を羨む声は何度も聞いたことがあった。それくらい彼女は高嶺の花なのだ。


そんな人と自分がなぜ友人を続けているのか。

そう思って思い出した仁菜の性格に、円香はそうだと一度目を瞬いた。



(そうだ。仁菜は、超現実主義なんだ)



円香の友人である神崎仁菜という女はそのお姫様のような見た目に反して超現実主義なのだ。

異性に対しても同姓に対しても夢を描くことはない。


女の子が一度は語るであろう妄想的な恋愛をとにかく嫌うタイプの女だった。


そんな彼女に当たって砕ける男は多い。


『私のこと養えるようになってから出直して』と言っては男たちを泣かせている。

歯に衣を着せないのが彼女なのである。