『お待たせしました…
あ、えっと、コレは無花果(いちぢく)を乾燥した物で…』

まったくコッチを見ず、お茶受けについて必死に彼女は説明する。

『で、コッチも、あの、乾燥した…』

うん、ドライフルーツの事だよなと、冗談めかして突っ込むと、

『あはっ、そうですね』

と、人懐こく笑ってやっとコッチを見た。
彼女は背が低く幼い印象だけれど、
こなれた薄化粧と少し落ち着いた雰囲気は中学生はいくらなんでも誤認だと気付かせるに十分で、

おそらく、二十代前半くらいだろうか。